エンクロージャースピーカー活用法


小口径スピーカーの実力はいかに!?

 

皆さん、エンクロージャータイプのスピーカーと言えばソニックデザインと連想されるのではないでしょうか。

 

車載用エンクロージャースピーカーの確立を果たしたと言っても過言ではないソニックデザイン。

その独自の発想や商品開発力、自動車メーカーとのコラボレーションなど、今までのオーディオメーカーとは一線を託し進歩し続けています。

そのソニックデザインの追求するものとは、高級なオーディオ機器を車に搭載し至福の時を過ごせる空間を作り出すだけではなく、あらゆる人に音楽の楽しみをニーズにあった提案ができるかという点にも重きを置いています。

 

《開発思想:すべてのソニックデザイン製品は「音楽を創り、聴くすべての人々に対して、オーディオ技術は常に最善を尽くし、常に謙虚でなければならない」という理念のもと、究極的な音質とビルドクォリティ、ユーザビリティの完全なる融合を目指して開発されています。》

 

大変素晴らしい理念ですね。

 

さて、本題から話がそれてしまいましたが、皆さんはエンクロージャーとは何かご存知でしょうか?

おそらく今までカーオーディオに興味がなくスピーカー交換をした事がないという方でもエンクロージャーボックスに入ったスピーカーの音を耳にした事はあると思います。

なぜなら、スピーカーはほぼエンクロージャーに収まっているのです。

実は、スマートホンを購入した時に付いてくるイヤホンもれっきとしたエンクロージャースピーカーなのです。

 

スピーカーはボイスコイルに入った電気信号により磁力を発生させ、スピーカーユニットに固定されている磁石との反発により振動板であるコーン紙を駆動するという方法で空気に粗密波を発生し、それが空気中を伝わり耳に届くと音として認識するのですが、振動板が前後に動く事により、コーン紙の表側と裏側とに同じ粗密波を作り出すことになります。しかし、ここで重要なのが表側と裏側の位相が逆位相となって出てくることが問題となるのです。

表から出てくる音がプラスから始まる正相の音、裏から出てくるのがマイナスから始まる逆位相の音。実はこれらの音が交わると打ち消しあってしまい、スピーカーは動いているけれども音が聞こえない状態となってしまうのです。

そこで、表側と裏側の音を干渉しないようにしたのがエンクロージャーボックスなのです。

また、エンクロージャーボックスの容積や密閉型・バスレフ型等によっても同じスピーカーでも出てくる音色は変化しますので、使用目的に合った形状を選ぶ事や、スピーカーユニットの性能を引き出す事が出来る様にエンクロージャーを設計する事が重要となります。

 

 

カーオーディオとして使用するための最適なエンクロージャーとは?

 

エンクロージャー用のスピーカーユニットとして選択するのに重要な事は色々とあります。まず第一に純正スピーカーと交換できるほどの大きさで納める事ができるかどうか。実はこれがかなり難しい事なのです。

上記画像の左側のスピーカーは純正スピーカー、右側のエンクロージャーはTBE/TBMのBシリーズのものです。

こちらの画像でもお分かりになると思いますが、純正のスピーカーが収まっているスペースはたいへん小さく、車種によってはスピーカー背面から窓ガラスを下げた時の、ガラスまでの隙間があまりない車両も存在します。これらの条件をクリアするためには比較的小さなエンクロージャーボックスを使用しなければなりません。

小さなエンクロージャーを使用するという事は必然的に小口径スピーカーを使用しなけれならなくなります。これは物理的に大きなスピーカーが収まらない事の他に、もう一つ重要な事があるのです。

それはスピーカーユニットの最低共振周波数、共振尖鋭度、実効振動半径、等価質量等の関係により、小容積であれば小口径にしなければならなくなてしまうのです。

 

ソニックデザインのカジュアルラインではポートを利用したバスレフ型エンクロージャーを採用する事によりスピーカーユニットの最低共振周波数よりも低い音を再生する事が可能となり、77mmとは思えないほどの表現力を身に着けているのです。

 

また、プレミアムラインでは、密閉型エンクロージャーを採用しています。密閉型ではスピーカー本来のf₀値が再生可能周波数に影響を与えるので再生能力の高いスピーカーユニットが求められます。

通常車室内において必要とされる周波数帯域を小さな振動板で再生するのは大変難しい事ですが、ソニックデザインの開発思想の下、Made in Japanの技術力と開発能力の高さを持ってして可能としています。

 

その、ソニックデザインの思想のもと、ソニックプラスシリーズで車種専用モデルが多く発売されています。

TBE/TBMシリーズをベースに車種専用取り付けブラケットとカプラーオンの配線キットがセットになったものがソニックプラスとなります。(一部エンクロージャーを使用していない車種もございます。)

現在、ソニックデザインでは車種専用のソニックプラスの中でも、エンクロージャー容積を限界まで大きくしたものも開発されていますので、対応車種にお乗りのオーナー様には大変喜ばしい事です。

なぜなら、エンクロージャーボックス容積と再生可能周波数には密接な関係があるからです。

 

 

レガシー / WRX / インプレッサ / XV 専用モデル

レガシー/フォレスター専用モデル

プリウス(30系)専用モデル


エンクロージャースピーカーの副産物

 

 

エンクロージャーを採用する事により、他のスピーカーとは違う事を手に入れる事ができます。

それは、皆さんご承知の通り車外への音漏れの軽減です。

お客様とお話をしていて気づくのですが、以外と気にされている方が多いようにお見受けします。

私の場合、常にオーディオのリモコンを片手に運転しているので、必要に応じてボリューム調整をしているのであまり気になりませんでしたが、確かに深夜市街地を走行する時など、音漏れがなければ気にせず音楽を楽しめますね。

 

信号待ちでも気にせず自分お好きな音量で楽しむこともできます。

「せっかく気持ちよく一緒に歌っていたのにボリューム下げるなんて嫌だな」という方も気にせず歌い続けてください。でもその場合音漏れがないので、周りからはアカペラで歌ていると思われるに違いありません。

 

実は他にも良い事があるのです。スピーカーユニットの耐久性が良いという事です。

本来、スピーカーはドアに付いていて、背面側は湿気にさらされています。勿論、カーオーディオ用のスピーカーはそのような事にも配慮された設計になっているので、心配する事はありませんが、エンクロージャーに入っていると湿気の影響を全く受けないので耐久性は向上します。

 

カーオーディオは車種を変更しても再度使用できる場合も多くあります。次に購入する車両に今回購入したスピーカーを移植しようとした時にロングライフな物であれば安心して使い続けれますね。

長く使えるスピーカーであればこそ、この機会にワングレード上位モデルのご購入をご検討してみてはいかがでしょうか。せっかくですから。

 

 

 

ソニックデザイン

 

スピーカー評価はいかに!?

 

 

ソニックデザインが気になったあなた。スマホで《ソニックデザイン 評価》【検索】

としていませんか?そこで気になる評価を目にした方もいらっしゃると思います。

「低音がならない」との評価を。

それではソニックデザインTBE-1877AiとカロッツェリアTS-1720AⅡを比較してみましょう。

 

 

77mmセパレート2ウェイ・スピーカーシステム

●使用スピーカー:18mmドーム型+77mmコーン型(Eiクラス)

再生周波数帯域:50-25,000Hz(総合)

●サブウーファー併用時推奨カットオフ周波数(HPF):80Hz

●最大入力/インピーダンス:50W/4Ω

●出力音圧レベル:89dB/W/m

●ウーファー部外形寸法/質量(1台):φ166(ブラケット部除く)×D86.5mm/0.97kg

●トゥイーター部外形寸法/質量(1台):φ37.5(トリムリング使用時41)×D18.5mm/0.04kg

●ウーファー部最小取付穴寸法:φ148×D58.5mm

●トゥイーター部最小取付穴寸法:φ36×D12mm

●専用ネットワーク、トヨタ車対応トゥイーター取付キット、トリムリング付属

●左右対称設計

スピーカー構成 17 cm2層構造アラミドファイバーコーンウーファー

2.9cm ピュアアルミニウムバランスドドームトゥイーター

瞬間最大入力 150 W

定格入力 40 W

再生周波数帯域 33 Hz~46 000 Hz

出力音圧レベル 90 dB

インピーダンス 4 Ω

コード長 <ウーファーコード>150 cm

<トゥイーターコード>計50 cm

<入力コード>15 cm

質量(1個) <ウーファー>0.78 kg

<トゥイーター>0.06 kg

<ネットワーク>0.12 kg


 

 

ここで見て頂きたいのが再生周波数帯域です。

ソニックデザインTBE-1877Ai : 50-25,000Hz

カロッツェリアTS-1720AⅡ   : 33-46,000Hz

低域である最低再生可能周波数はTBE-1877Aiが50Hz、TS-1720AⅡが33Hz

確かにTBE-1877Aiの方が最低再生可能周波数は17Hz高いです。

この17Hzの差は大きいといえば大きいですね。

では、50Hzの音はどのあたりの音かと申しますとベースの一番低い音の出る弦での開放音がEの音41.2Hz そこから4フレット上がったG#の音が51.9Hzでほぼ50Hzです。

ですので、ベースの一番低い弦の開放音の基音の再生は不可能となります。

と言うことは、web上の評価もあながち間違ってはいないと言う事になります。

ベース特有の太い音を再生するには不向きという事になりますが、50Hzまで再生できるという事は、ベースの大半の音は再生する事ができるのです。

 

 

それでは、ベースの音はどのような構成になっているのか調べてみましょう。

2.5kHz~10kHzぐらい → 音の輪郭やベースをピッキングした時のアタック感の変化

400Hz~800Hzぐらい → ベース音の芯の変化

100Hz〜250Hzぐらい → ベース音の低音の変化

50Hz~120Hzぐらい → ベース音の太さ、深さ、サスティーンな部分の変化

40Hz以下 → 音というよりは振動、空気感

 

 

 

10kHzまでの高音にまでベースの音色が乗っているのに驚いている方も多いと思いますが、これらの事からもお分かりになる通り50Hzまで再生できれば、音楽として十分楽しめることになります。

しかし、太い低音や空気感を好まれる方には、物足りないと感じるかもしれません。

そのような方にも簡単に解決する方法があります。

それはサブウーファーを追加すればよいのです。そうすれば、最低再生可能周波数は下がりますので、満足のゆく音を手に入れることができます。

 ユニットの限界を超えた音域を再生させようとすると、当然のことながらユニットに負担がかかり音に歪が生じますので、無理に低域をならそうとせず、ユニットの性能に対して少々余裕をもってハイパスをかけるなどした方が解像感の高い美しい音が手に入ります。

これはソニックデザインのスピーカーに限ってでのことではありません。

 

「それならば、カロッツェリアTS-1720AⅡを付ければ33Hzまでの低い音が再生できるではないか!」と仰る方も見えると思います。

確かにTS-1720AⅡはfoが33Hzです。これをドアに取り付ければ簡単にその周波数が再生できるのかといえばそうではありません。先にも述べた通り、エンクロージャーに入っていないスピーカーは後ろ側から発生する逆位相の音で低音がかき消されてしまいますので、しっかりとデットニング等の処理をしなければ、低い音の再生は困難になります。

一般的な16cmほどのスピーカーをドアに何もせず取り付けた場合、120Hz付近からだらだらと再生能力が落ち、エネルギー感のない軽い音となってしまいますので、デットニングは必数とお考えください。

特に、一般的な16cmクラスのスピーカーをドアに取り付けた場合、ドアトリムが共振し、ドアトリムが低い周波数を発生させます。これは勿論スピーカーから出てくる本来の音ではありませんので全体の音を濁してしまいます。この共振を抑えるために、ドアトリムの制振やハイパスなどを上手く使うことが高音質への近道です。

 

では、ソニックデザインのスピーカーをサブウーファー無しで簡単インストールし厚みのある太い低音を再生するのは不可能?

いえ、そうではありません。ソニックデザインのプレミアムショップであるマイスターのノウハウを注ぎ込む事により、エンクロージャースピーカーを簡単インストールする事でも、より深みのある表現を可能とする方法があります。

 

お客様のニーズによって、さまざまな選択肢があるのは大変重要な事だと考えておりますので、ご自身に合ったプランがどのような物なのか疑問に思われた時には、お気軽にマイスターまでご相談にお越しください。さまざまな視点からお客様の最善なプランを提案させていただきます。

もちろんソニックデザインスピーカーの試聴も可能となっておりますので、お気軽にお越しください。